21世紀のヒロインは、転んでもただは起きない、イケ好かない小娘アンナ・デルヴィー

2022年2月4日にお届けした「過去10年に続出したミレニアル詐欺師の実話ドラマ化」の第一弾「令嬢アンナの真実」は、ネットフリックス社の22年のヒット作品トップ10位の座を長期維持した超ハマってしまうドラマ。2018年に、アンナ・デルヴィーこと、アンナ・ソローキンから映像権を買い取って制作した限定シリーズは、マジ腹たつ、イケ好かない小娘ソローキンが、NYのハイソサエティを如何にアンナ旋風に巻き込み、次々と犠牲者を出したのかを関係者/被害者の観点から描きます。

法廷ファッションで一躍有名になり、ポップカルチャーのアイコンに祭り上げられたアンナ・ソローキンを演じたジュリア・ガーナーは、服役中に会ったソローキンに’審査’を受けてたじたじとなった経験談を披露。ソローキンは、「アンナ像を勝手にデッチ上げるドラマやメディアには迷惑してる。自分で発信するっきゃないけど、今はソーシャルメディアにアクセスできないから、他の企画を練るしかないでしょ?」とまくし立てる。

 

ホームズ同様、未だに女には禁断の金と権力を手に入れようと、男社会に殴り込みをかけた反逆児の武勇伝として、21世紀のヒロインに祭り上げられたソローキン。利益窃盗、第二級重窃盗、第一級窃盗未遂等で有罪となり、ライカーズ刑務所にお務めする事2年。2021年2月11日出所後、スター気取りでテレビインタビューに応じたり、サングラスをかけてベッドで自撮りした写真と「The Queen is back in NYC」のメッセージをインスタにアップするなど、転んでもただは起きない、懲りない女であることを証明しました。しかし、22年3月にはビザ切れの不法滞在者として米国移民関税捜査局(ICE)に拘束され、強制送還されるかと思いきや、同年10月に保釈金を積んで(誰が出したのでしょう?)、在宅拘禁中です。移民法には詳しくないので、いつまでこの状態が続くのか見当がつきませんが、スポンサーが労働ビザかグリーンカード取得申請を開始してくれれば、NYに居残ることが可能になるのではないかと思います。ホームズ同様、無敵・不屈を誇る自己愛性ソシオパスは、罪に罰は付き物、「刑務所だって社会学的実験の場だ」と公言した程です。

22年2月4日の記事で予想した通り、NY居坐りを決めたソローキンは、アンクルモニター(仮釈放者の社会復帰を促しながら、在宅拘禁する際に自宅にいるかどうかを電子的に監視するための装置)をつけて、イースト・ヴィレッジにある家賃4,200ドルの狭〜いアパート(日本で言う1R/1K/1DK/1LKのいずれかは不明ですが)に軟禁状態です。緊急事以外は、外出することも、SNS発信も一切禁じられています。ライカーズ服役中に描いたスケッチ画を売って生活費に充てていますが、「年間30万ドルの売り上げがある」と豪語しています。料理はできないので、全て電話で注文して配達してもらう、何故か早朝5時には目が覚めるので、ロンドンの友人達(=鴨のこと?)に電話でお喋りする、次々とプロジェクトが持ち込まれるので自宅で企画会議や取材に応じたりの忙しい毎日だと、小学生のような超甲高い(=耳障り極まりない)声でまくしたてます。

幸せを感じるのは「携帯電話、生野菜や新鮮な果物、ネットへのアクセス、ファッション」と答えたソローキンは、先月「アンナ・デルヴィー・ショー」と題して、アート、ファッション、テック、科学、政治、金融等について、自宅に招いたゲストと討論するポッドキャストを始めました。アート、ファッションは良しとしても、自己愛性ソシオパスがテック、科学、政治、金融の何を語るのでしょうか?尤も、政治や金融は、ソローキンと同じ穴のムジナがせめぎ合う世界(特に、共和党が代表する極右、白人至上主義、陰謀論派のMAGA党支持者)ですから、何の抵抗もなく、すんなりと入っていける世界なのかも知れませんね?それに、ホームズと同じくディスラプターを誇示するソローキンのこと、伝統的なルールを如何に潜り抜けて、やりたい放題するか?についてルール破りの鉄人と討論しようと言うのです。ドイツに強制送還される日を指折り数えて待っていたのですが. . .キャンセルされるどころか、フォロワーを唆して、益々増長しています。

但し、トランプと同じく、煮ても焼いても食えない自己愛性ソシオパスが市民権を得て、のさばる世の中になってしまった今、21世紀のヒロインでさえ以前よりも更に声を大にして売り込まなければ、掻き消されてしまうかも知れません。因みに、ソローキンの上を行く最新のお騒がせ詐欺師は、トランプのコピーを自負するジョージ・サントス下院議員で、5月12日詐欺7件、マネーロンダリング3件、公費窃盗1件、下院での虚偽の証言2件の計13の罪状で逮捕・起訴されました。