以前は映画やドラマで出演者の不祥事が発覚すると、撮り直しや公開中止、出演シーンのカットといった事態になることが多かった。だが近年は、2019年にピエール瀧がコカイン使用の疑いで逮捕された際も、約1カ月後に封切りを控えていた出演映画『麻雀放浪記2020』が予定通り公開されるなど、業界の対応が変わってきている。そのため、永山容疑者が逮捕されても映画の公開には影響しないのではとの見方は強い。

 永山は2024年度のNHK大河ドラマ『光る君へ』への出演も決まっており、こちらについても注目が集まっている。今回の永山の逮捕に関してNHKは16日、「詳細について確認中です」とコメント。『光る君へ』はすでに5月末から撮影が始まっているが、永山が降板になる可能性は高いとみられている。

 2020年度の『麒麟がくる』では、放送前の2019年11月に沢尻エリカが麻薬取締法違反の疑いで逮捕され、川口春奈を代役に立てて、沢尻の出演シーンをすべて撮り直し。この影響で初回放送が2週間遅れることにもなってしまった。2019年度の『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』でも放送中にピエール瀧が先述のコカイン事件で逮捕され、途中降板して三宅弘城が代役を務めた。こうした事態を受けてNHKは2020年2月、レギュラー出演者に対して、正式な契約書を交わす前に違法薬物の使用や反社会的勢力との関わりがないことを誓約する書面の提出を求める方針を発表している。永山も誓約書にサインしたとみられ、“違反”があったと確定すれば降板は必至だろう。