永山容疑者の逮捕報道を受け、「映画が公開中止になるのでは」と不安がるファンの声が相次いだため、Twitterでは「公開中止」がトレンド入りしてしまう事態に。もし公開中止や延期となったら主演の北村がかわいそうといった同情のコメントが多く寄せられているが、実は出演者の逮捕騒動に巻き込まれるのは今回が初めてではないのだ。
北村は2020年、やはりマンガ原作の実写化映画『とんかつDJアゲ太郎』(10月30日公開)に主演したが、公開の前月となる9月8日に、主人公の師匠役として出演していた伊勢谷友介が永山同様に大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕。それでも予定通りの公開を決行しようとしたが、公開直前の10月28日にライバル役を演じた伊藤健太郎がバイクとの衝突事故を起こし、一度現場を立ち去ってしまったため翌日に道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕(のちに不起訴処分)された。
映画はもともと6月19日の公開を予定していたが、同年4月から新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急事態宣言が出されたのを受けて、同月に映画の公開延期が決定。10月公開になったという経緯がある。コロナによる延期がなければ、公開前にメインキャストから2人も逮捕者が出てしまうという事態も避けられたと見られ、これもまた“不運”だろう。さらに事件ではなかったが、伊勢谷の逮捕と伊藤の逮捕の間には、主人公の父親役を演じるブラザー・トムも一部週刊誌に“モラハラ不倫”が報じられており、『とんかつDJアゲ太郎』の興行収入の不振には、こうした逆風の数々が悪影響を及ぼしたのではともささやかれている。
今回の永山の逮捕について、社会学者の古市憲寿氏は「『出演者の逮捕で映画公開中止』なんて慣習、そろそろ止めたほうがいい」とTwitterで訴えるなど、公開すべきだという意見が目立っている。古市氏は「特に被害者のいない事件なら、なおのこと。しかも映画はお客さんが自発的に行くもの。嫌なら行かなければいい。誰の得にもならない忖度は絶対にやめるべき」「映画には何百人、何千人の人が関わっているわけで、その中の一人が事件に関わったことで、もしも映画が公開中止になるのなら、悪しき連帯責任の典型だよね。そういう古臭い社会に生きていると思うとぞっとする」とも綴り、ネット上で「そうです、作品に罪はない」「勝手に封印しないで観る側に判断させてほしい」といった賛同の声が相次いでいる。