ここ数年、太田さんは自身のラジオ『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)で、本家の「サラ川」が発表されると必ず、自身が考えた「“サラ川風”のオリジナル川柳」を発表するのが恒例となっている。『カーボーイ』リスナーにはかなりおなじみとなってきたイベントだが、この川柳のクオリティが驚くほど高いのだ。本家に混ざっていても遜色ないくらい、いや、もしかしたら本家超えをしている作品さえあると思う。さらに言うと、川柳の「質」もさることながら「数」もすごいのだ。ウマい川柳なんて1句思いつくだけでも大変なのに、毎年20~30句もの川柳を作って番組内で発表している。
これが始まったのは2020年。同年の「サラ川」が発表されたときに、コロナ禍真っ只中だったにも関わらず、応募のタイミング的にコロナ関連の句が全くなかったことに違和感を覚えた太田さんが「コロナ」をテーマに自作の川柳を番組内で発表したのだ。そのときの作品がこちら。
「在宅で 妻のオフィスの 窓際に」
「新型で 我、旧型と 思い知る」
「スマホ見て こっそり消した 感染路」
説明の必要がないほどに、ユーモアを交えながら「あの頃のコロナ禍」を見事に詠んでいる。ちなみに僕は翌2021年の
「クソオヤジ 叫ぶ我が家の 変異株」
も唸った。世相とユーモアに加えてリズム感も最高。さらに2022年、
「薦められ ネトフリ探す テレビ欄」
も良すぎる。どの句にも「おじさんの哀愁」が漂っているのが、30代中盤の僕にもしっかり刺さっているのだろう。
【こちらの記事も読まれています】