ところで、市川猿之助の一家心中未遂事件は、まだまだ多くの謎が残り、猿之助がどのような話を警察や周囲の人たちに話しているかも漏れ聞こえてこない。
現在、自殺未遂者は何度も繰り返すことが多いため、精神病院に隔離されているといわれる。
なぜ、両親に被せたというビニール袋や薬のパッケージを家の近くのゴミ置き場に捨てたのか。
朝7時に、松竹の関係者に「今日は体調が悪いから休みます」という電話を入れたのはナゼか。死にきれずにSOSを発信したのだろうか。
母親と猿之助との間で、どのような話し合いが行われたのか。
なぜ、恋愛関係にあったといわれる運転手兼マネージャーであるAに、「Aを喜熨斗孝彦(猿之助の本名)の養子にし、遺産の全てを相続する」という遺言を残したのか。
今週の文春は、恋人といわれるAの事件後の行動を張り込み、女性と密着しながら帰宅する様子を激写している。
Aは、役者の父親に憧れ、芸能界を志し19歳でデビューしたが、鳴かず飛ばずだったという。
その後、27歳年上の小柳ルミ子と知り合い、彼女の豪邸に住みつくが、やがて小柳が、「彼は自分の足で歩こうとしない。いつまでも甘えられて疲れた」と三下り半を突き付けて破局。
そのあとも、10歳上の女優と付き合うがこれもダメになる。約4年前に猿之助と知り合い、献身的に仕え、彼の心を掴んでいったという。
しかし、それほどまでに愛してくれた猿之助が自殺未遂を起こしたというのに、Aの心は猿之助から遠ざかっていたようである。
5月26日、朝9時50分にAが都内のマンションを飛び出すと、最寄り駅に歩を進めたという。その後、夕方5時ごろ、彼の住むマンションから同世代の女性が警戒しながら外出。
2人が手をつなぎ身を寄せ合って駅前の商店街に現れたのは、翌日の深夜だったという。
文春の記者がAを直撃する。
――Aさんですよね?
「違います。タカハシですけど」
――猿之助さんの遺書にAさんの名前があった。
「人違いだと思います。そのAっていう人自体、僕は知らない人なので」
――さっきコンビニで猿之助さんの記事を見ていませんでしたか?
「じゃあ、お喋りするんだったらギャラいただけますか? 百万くらいいただけますか。先払いでお願いします。あとは、もうご遠慮いただきたい」
そしてこんなセリフを吐く。
――猿之助さんの事件はどういうふうに見ている?
「何も関りないので」
――何の興味もない?
「はい」
――猿之助さんが死のうが関係ない?
「関係ありませんね」
――まったく悲しくない?
「はい。全然」
そしてスマホで110番したそうである。
このやり取りをどう読むか。本心だとは思えないし、女性と一緒だったことを目撃されていることで、やや動揺していたのかもしれない。
だが、猿之助が可哀そうに感じるのは、私だけだろうか。