約半月後に公開日を控える同作だが、篠塚社長は会見で「事案に関しましては、警察が捜査を行っている最中ですので、これ以上の回答は控えさせていただきます」とコメント。一方、西新常務は「製作委員会でも協議しております」と説明するに留まった。

 だが6月1日、東宝と製作委員会は「総合的な判断により」映画の公開延期を発表。延期後の日程については発表されていない。

 近年は、キャストが映画公開直前に不祥事を起こしても、予定通り公開するケースが増えている。例えば、2019年3月に電気グルーヴ・ピエール瀧が麻薬取締法違反容疑で逮捕された際、彼が出演する映画『麻雀放浪記2020』は、当初の予定通り逮捕の翌月に公開された。

 ただ、『緊急取調室 THE FINAL』は、役柄の面で事情が異なる。同作は天海演じる刑事・真壁有希子が、被疑者である総理大臣に事情聴取するシーンが山場の一つとなっており、これが現実の猿之助の状況とリンク。これにより、「エンタメとして成立しない」という、商業映画として決定的な問題が生じてしまうのだ。