米澤の心の叫び、紗枝の覚醒、そして…間宮祥太朗演じる蓮見が登場
嘘、支配、争い……第6話はさまざまな要素が入り混じっていた。恋の三角関係にもわずかな動きが。紗枝の行方不明という事態に心が揺さぶられていた直哉は最後、迷惑をかけたと謝罪する紗枝の靴ひもを結んでやり、「よく頑張った」と優しく声をかける。やっと緊張の息が切れた紗枝は、直哉が去ったその場で泣き崩れる。その様子を見て優斗は「すごいよな、畑野さんは。たった一人で逃げ出して、立ち向かって。強いよな」と感心するが、直哉はため息をつき、「わかってないなぁ……。なんであいつが頑張れてるか。お前だよ。気づいてやれよ」と伝え、優斗ははっとした顔を見せる。3人の関係はこれからどうなるのだろうか。
お人よしの紗枝が山本を告発するという“覚醒”も印象的だったが、第6話のMVPは米澤だろう。疑心暗鬼からとうとう全面衝突した5号車と6号車の乗客。そのなかでただひとり米澤が争いを止めようと声を上げるシーンは、些細なことから誹謗中傷が飛び交うSNS社会への訴えでもあるようにも感じた。自分には特別な才能もなく、喧嘩もしたことがない、この電車にいて自分に何ができるのかと自問自答している米澤。明るくふるまう裏で人知れず苦悩する姿に、感情移入した視聴者も多かったことだろう。しかし、勇気をもって戦いを止めようと叫んだ米澤が、最悪の事態を回避するきっかけをつくった。そして争いが終わった後に友人の加藤がかけた「米ちゃん。最高にかっこよかったよ」という言葉は、米澤にとっても最高の称賛だったに違いない。
争いはとりあえず収まったものの、両者が衝突した事実は消えない。いよいよサバイバル生活も限界となりそうだが、ようやく抜け出せる気配が出てきた。
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