◆“新名クッキング”の復活が近い?
それでは、二つ目のトピック(作品比較がどんどん細かくなるが、あしからず!)。それは、“新名クッキング”の復活だ。
第2話でのオイルカット酢豚、第3話でのトマトペンネなど、料理上手な新名は、楓の健康を考えた手料理を数多く作ってきた。仕事に明け暮れる妻が、手料理を食べてくれることはほとんどなく、作り置きしたタッパーを冷やし、中身が減っているか、冷蔵庫内をただ見つめ、確認する毎日だった。
新名クッキングは、毎話の楽しみなのに、楓が食べてくれない限り、このコーナーはきっと打ち切りになるなと思っていたら、やっぱりそうなる。
第4話では、楓のために辛うじてポーチドエッグを作る朝の場面がある。でもこれは、調理過程が省かれた即席の一品で、楓に愛想を尽かした新名の愛の不毛を意味していた。
新名は、そこからぴたりと料理をしなくなる。代わって、改心した様子の楓によるてんやわんや料理コーナーがスタート。
慣れない料理によって、夫に献身的に振る舞おうとする彼女に、よりイライラする新名だが、第6話では、やっと楓が作ったアクアパッツァを口にしてこのひとこと。
「うん、美味しいよ」。この瞬間の笑顔を見て、ああこれは、そろそろ新名クッキングの復活が、近いなと感じたものだ。
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