以前、国民年金の保険料を払わない人が問題になっているとニュースで言っていたのを思い出し、未納者がそれだけいるなら自分も払わないでおこうと、手続きをしないまま放っておきました。

開業直後は経営が苦しかったものの、飲食店は半年ほどで利益が出るようになりました。その後2年と半年ほどは国民年金のことは忘れていましたが、ある日、日本年金機構から催促状が届くようになります。見ると未納分の保険料の合計30万円以上を払うようにと書いています。大きな出費ですが、この時点で支払いを行っていればまだ最悪の事態は逃れることができたはずです。

放置を続けていたKさんの元には、催促状、最終催促状、督促状と次第に強い文面の書面が届くようになったほか、電話がかかってきたり、時には家まで訪問に来たりするようになりました。

頑なに保険料納付を拒んでいたKさん、ついに銀行口座を差し押さえられてしまいます。年金を払っていないだけなのに、銀行口座が使えなくなるなんてあるのか疑問に思う人もいるかも知れませんが、日本年金機構が発表した「アニュアルレポート2018」によると、2018年度には督促状が送られた8万1,597件のうち、1万7,977件で実際に財産が差し押さえられています。

凍結されたのが事業用に使っている口座だったKさんは急いで年金を払いに行きますが、そこでKさんの奥さんの分も払うように言われます。Kさんが会社員を辞めた段階で奥さんも3号被保険者を外れており、国民年金の保険料を支払う必要があったのです。

Kさんの滞納分は延滞金が加わり、40万円に膨らんでいます。Kさんの妻の分も合わせると80万円です。自分の分は払うから口座の凍結を解除して欲しいと頼みましたが、受け入れてもらえません。というのも、督促状には「財産の差し押さえは滞納者だけでなく連帯納付義務者(滞納者の世帯主や配偶者)にもおよぶ」とはっきりと書かれてあるからです。

結局Kさんは合計80万円近くの保険料を払いましたが、口座が使えるまでに1週間ほどかかり、いくつかの取引先にも迷惑をかけてしまいました。