◆“料理交代制”提案の本当の意味を知る

 そして、遡って投稿を見ているうちに、交代で料理を作ろうとの提案も優しさからではなかったと知り、ショックを受けます。

「その言葉をかけてくれた時期くらいに、『耐えられないから自分で作る』とか『料理、交代制にしてゲロ飯から逃げたい』とか書かれていました。夫は優しい顔を見せながら、心の中では私のことを見下していたんです」

 これにより、結子さんは料理を作る気がなくなり、夫への気持ちも冷めてしまいました。しかし、スマホを勝手に見たことを伝えられないため、怒りや悲しみを自分の中だけにしまい続ける日々を送っています。

「一生懸命作っても酷評されるのなら、もういいやと思い、最近、自分が料理担当の日は総菜ばかり並べています。夫は『疲れてるだろうから、こういうのも全然ありだよ』と言ってくれますが、お前、内心では喜んでんだろとか思っちゃって。夫の口から出る言葉を信じられなくなりました」

 料理は好き嫌いや味付けの好みなどもあるため、互いがおいしいと感じるものを作ることが難しい場合もあります。けれど、「作ってあげたい」と思ってくれるパートナーの気持ちを裏切る行為は厳禁。裏で妻の料理を酷評し続ける悠馬さんが、そのことに気づく日は来るのでしょうか。

<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】

愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291