6号車の乗客たちは、IT企業社長・山本俊介(萩原聖人)をリーダーに、集落のようなものを築き、5号車よりも文明的な生活を送っていた。山本は3人を6号車の車両に案内し、植村憲正(ウエンツ瑛士)と加古川辰巳(西垣匠)を紹介する。山本は友好的な姿勢を見せるが、直哉は「あんたらなんて全然信用できない」とはねつける。加藤祥大(井之脇海)が何者かに襲われ刺された際、逃げ出した男が加古川によく似ていたのだ。山本たちは非を認め、加古川は土下座して謝罪。敵か味方かわからなかったためだと釈明し、山本は改めて詫びたうえで、今後は一緒に協力していきたいと伝える。

 山本たちは今いる世界が未来だとの確証があり、2023年に帰る方法もあるはずだと主張。山本によれば、発見した船の無線が奇跡的に通じたことがあり、今いるのは2060年で、2026年に隕石が落下したことで今の荒廃した世界になってしまったのだという。山本は隕石が落下した原因は当時の宇宙開発にあるとし、隕石落下を起こした「人災」を2023年に伝えるために「一緒に帰りましょう!」と5号車の乗客たちに熱弁をふるう。多くの乗客は、戻れる方法があるかもしれないと希望を持ちはじめるが、直哉と渡部玲奈(古川琴音)は、それを冷めた目で見ていた。理不尽な人生を送ってきた直哉と玲奈。直哉は希望を、玲奈は仲間を持たないことで、自分をどうにか保って生きてきたのだ。

 6号車の協力を得て、5号車の乗客らは自分たちも風呂を作る。生きる希望を一時はなくしていた会社経営者の寺崎佳代子(松雪泰子)も、5号車の環境整備、6号車との協力体制などやるべきことが見つかったとして張り切り始めた。

 こうした中、植村と加古川が5号車付近に姿を現し、気づいた玲奈は問い詰める。彼らは山本の命を受け、2023年に帰るカギとなりそうな「石」を探しに来ていた。元の世界に戻りたくない玲奈は苛立ち、山本と話がしたいと6号車へと向かう。単独行動は危険だと紗枝も同行するが、2人は森の中で地面に死体が埋められているのを発見する。思わず腰を抜かす2人。そこに6号車の不良3人組が襲いかかる。玲奈はかろうじて逃げ出し、5号車に事態を報告。ひとりで逃げ続けていた紗枝は崖に追い込まれ、意を決して飛び降りるのだった――。