さらに、矛先はコメンテーターとして番組に出演していた落合氏にも向けられた。番組でオルティスさんのインタビュー映像などが流れた後、落合氏は「これからのアーティスト、著作権ビジネスで生きていく人は、単価を上げるか、コピーされること前提でAIと一緒に作るか、コピーされたことを売りにして生きていくか、物理的にコピーしにくいものを作るかくらいしかなくて、そうやって作品を作っていく人が生き残るんだと思いますから、それはそれでしょうがないかなと思うんですけど。それが今のリアルです」とコメント。アーティスト側が対抗手段を取る必要があるという主張で、そうしなければ淘汰されても仕方ないという印象を受けかねない言葉だった。
これに対しても、オルティスさんは「私の日本人の友人が訳してくれた落合氏の侮辱的なコメントが、誤解であることを願いますが」としながら、「落合氏は私の訴えを却下し、その部分について誰かが反論することもなく、さも事実かのように発表されていました」「落合氏は、生成AIの学習のために、世界中の何百万ものアーティストが盗作されている実態を無視しています。日本のアーティストも現在進行形で苦しめられていることも」と猛批判し、落合氏は無断で作品を盗用するテクノロジー側に立ち、アーティスト側には「役に立たない解決策」しか提示していないと訴えた。
この批判を受けて、落合氏もTwitterで弁解。長文の英文を綴り、「AIと著作権侵害に関するあなたの懸念については、私も当然だと考えています。AI技術を利用して他者の著作物を無断で複製・模倣するケースがあることは否定できません。これはアーティストの権利を明らかに侵害しており、早急に対処する必要があります」「しかし、芸術におけるAIを肯定的に活用できる可能性を探ることも重要だと考えます」「著作権侵害をすることなく、クリエイティブの強化のためにAIを使うことができるような釣り合いが取れる着地点を見つける必要があります」などと真意を説明。
その一方で、「番組で、同意なくあなたの作品をいいと思うかどうか街頭アンケートを取ったことについては、深刻な問題であると私も同意します」「あなたの絵があのように使用されたことは申し訳ない」と、街頭インタビュー企画に関して番組に代わって謝罪した。