【源頼朝役・大泉洋】

大泉洋/「第41回 向田邦子賞」贈賞式

「三谷さん、向田邦子賞、大変おめでとうございます。本当にそうそうたる皆さんの後に、最後を飾るごあいさつということでご紹介いただきましたら、会場から笑いが起こったのは、大変印象的でございました。私が20歳の時に、演劇というものが面白いかどうかも分からず、とりあえず大学のサークルに入ってみたわけですけど、その時に見たのが、まさに善さんもB作さんもお出になられていました『ショウ・マスト・ゴー・オン』の再演でした。こんなに面白いものが演劇の中にあるんだと思いました。それから三谷さんと一緒にお仕事できると思っていなかったので、今、何本も仕事させてもらえるようになって、夢のような出来事ではあります。

源頼朝をいただいた時に、不勉強で鎌倉幕府を作った人ぐらいしか知らなかったものですから、三谷さんから「今度は頼朝です」と言われた時には、カッコいい役が来たなと思いました。こんなひどいことばかりする人だと知らなかったものですから、小栗くんのおかげではありますけど、昨年は「全部大泉のせい」と、どこにいっても言われてしまいまして。今回の「鎌倉殿」で一番印象的だったのが、15話の佐藤浩市さん演じる上総介(上総広常)を殺した回でした。放送が終わった後に仕事から帰ったら、「鎌倉殿」が大好きで毎週楽しみに見ていた小学校5年生の娘が玄関に駆けつけ、「パパ…何やってんだよ…上総介殺しちゃ駄目だよ。あれは三谷さんひどいよ」と。娘が私をおもんぱかっていたのが、大変印象深かったです。