①三栄土木
冒頭、いきなり始まるダンプカーと本郷猛、緑川ルリ子を乗せたサイクロン号のチェイスシーン、その時に本郷らを追ってくるダンプカーに書かれた会社名で、これはテレビの『仮面ライダー』を撮影していた、東映生田スタジオ近くの土地を開発していた業者名。何度も撮影で使っていたため、ファンの間ではロケ地を称して「三栄土木」と呼ばれている(ウルトラシリーズのロケにも使われた)。車のナンバーは多摩ナンバーで、テレビのライダーが奥多摩辺りでよく撮影されていたことのオマージュをナンバーでも示す!
SHOCKER戦闘員が見上げると、崖上にライダーが立っているという構図はテレビ版第一話のカットとほぼ同じだ。
②小河内ダム
そのあとに始まるSHOCKERの人外合成型オーグメント、クモオーグとバッタオーグ(仮面ライダー1号)との戦いが行われる小河内ダムは、テレビ版第一話でライダーと蜘蛛男が戦った奥多摩湖の小河内ダムだ。
このシーンもカメラのアングルを第一話のシーンの再現で、さらにライダーキックで止めを刺す場面は事情があって小河内ダムでは撮影できず、川崎の堤防で撮られた……というテレビ版をなぞらえて、本作でもクモオーグにとどめを刺す場面は別の場所で撮影された。
③サイクロン号のナンバー
本郷が乗るバイク、サイクロン号のナンバーは「品川 ま2499」で、テレビで本郷が乗っていたサイクロンのナンバーを再現した。
④人工知能アイ
SHOCKERが生み出した世界最高の人工知能。劇中に登場するサーバーには、「710403」のナンバーが書かれている。テレビ『仮面ライダー』の初回放送、1971年4月3日のことである。
⑤人工知能ケイ
SHOCKERの創設者が作り出した人工知能アイによって生み出された、外世界を観測するための人型人工知能ケイ(CV:松坂桃李)の外見は、ライダーの原作者・石ノ森章太郎の他作品『ロボット刑事』に登場する主人公・ロボット・Kに似ている、というのは特撮ファンならすぐに気づくところだが、庵野監督はさらに濃いネタを用意する。
人工知能アイはケイの前にジェイという人工知能をつくり、それがバージョンアップしたのがケイだ。これは『ロボット刑事』が企画時の段階で『ロボット刑事J(ジョー)』というタイトル案で、最終的にK(ケー)に決定。庵野監督はここから人工知能ジェイがバージョンアップされてケイになるという含みネタを展開する。