後手後手のうえに悪手ばかり続くジャニーズ事務所の対応だが、ジャニーズサイドは当初、ここまで騒動になるとは思っていなかったフシがあるという。

「発端は、3月に英BBCがジャニー氏の性加害疑惑を取り上げたドキュメンタリーを放送・配信したところにありますが、ほぼ『週刊文春』(文藝春秋社)が過去に報じた内容をなぞるようなものだっただけに、楽観視していたようです。ドキュメンタリーが放送・配信された際、複数のメディアがジャニーズ担当者に事実確認などを問い合わせたのですが、返ってきた答えの一つが『ご容赦を』といった、軽いとも受け止められるニュアンスの文言だったんです。そもそもジャニーズをとりまく御用メディアの間ではジャニー氏の問題は長らく公然の秘密とだったわけで、ジャニーズ側には今さら感があったのでしょうし、ジャニー氏が亡くなってしまっているため、逃げ切れると踏んでいたのでしょう。“また蒸し返されるのは勘弁”程度に思っていただろうことが『ご容赦を』あたりからうかがえます。

 そもそもBBCの取材班がジャニーズ事務所に突撃取材したのは昨夏。そこから半年以上の間にジャニーズ側が取った対応は、ジェイ・ストームなどの関連4社の会長にジュリー社長が“昇格”したことや、『コンプライアンス体制の整備・実践』などの4つの公約を年始に発表した程度ですからね」(同)

 3月のBBCドキュメンタリー放送に続き、4月12日には日本外国特派員協会で元ジャニーズJr.による顔出し実名告発が行われ大きな反響を呼んだが、ジャニーズ側が公式見解を示したのはそこからさらに1カ月後。世間では「対応が遅すぎる」と批判されているが、ここまで状況が悪化したのも、初動対応を見誤ったことが原因の一つだったのは間違いなさそうだ。