確定拠出年金の税制メリット②:掛金拠出時の「所得控除」

確定拠出年金の税制メリットの中でも特に大きいのがこの「所得控除(しょとくこうじょ)」です。

簡単に言うと、確定拠出年金のためにお金を積み立てていると、その年の所得税や翌年の住民税が安くなります。

例えば、所得税率5%で住民税率10%の人が、確定拠出年金で毎月2万円を1年間積み立てたとします。

この人は毎年、自分で稼いだ所得のうち15%を税金として支払っています。年間の所得が190万円だったとすると、そのうちの15%にあたる28.5万円を国や自治体に納めている、ということですね。

ところが、月々2万円ずつ確定拠出年金で積み立てたら、この月々2万円を国が「経費」とみなし、税金の対象から外してくれることになります。これが「所得控除」です。

  • 積立金額合計:2万円×12カ月=24万円 1年間の所得が190万円の人が、年間24万円を積み立てるので、税金を計算する時は190万円から24万円をマイナスします。
  • 所得金額合計:190万円-24万円=166万円 この人が支払う税金を計算するときは、166万円に税率をかけ合わせます。
  • 月2万円ずつ確定拠出年金をした場合の所得税額:166万円×5%=8.3万円
  • 月2万円ずつ確定拠出年金をした場合の住民税額:166万円×10%=16.6万円
  • 税額合計:8.3万円+16.6万円=24.9万円 税金は24.9万円しか支払わなくてよくなりました。もともと28.5万円を納めていた人なので、合計3.6万円節税することができました。

    もちろん、この税制メリットは所得がある方のみ受けられるものなので、専業主婦(夫)など、もともと所得税を支払っていない場合は受けられないことにご注意ください。

    また、確定拠出年金の中でも特に「企業型」の場合、勤務先が支払っている掛金は所得控除の対象にならないこともご注意ください。企業型に加入している人が「所得控除」の恩恵を受けようとするならば、「マッチング拠出」といって、企業の掛金にさらに上乗せしてご自身でお金を積み立てると良いでしょう。自分で支払った部分については「所得控除」の対象となります。

☆企業型確定拠出年金(きぎょうがたかくていきょしゅつねんきん)とは?
確定拠出年金のうち「企業型」は会社が掛金を年金として積み立ててくれる(拠出する)。企業の掛金が上限より低い場合、従業員が企業と同額まで拠出できる「マッチング拠出」という増額制度がある。(参考:企業型確定拠出年金とは? 個人型と併用できるってホント?

☆控除(こうじょ)とは?
税負担がなるべく多くの人にとって平等になるように考えられた「配慮」のこと。例えば、所得の少ないパートナー(妻または夫)を養っている人は単身者に比べると生活をするのが大変なので、税金の負担を軽くしてあげましょう、という制度が「配偶者控除」。(参考:そもそも「控除」って?配偶者控除をもっと分かりやすく説明してみた

(写真=fizkes/Shutterstock.com)