2017年1月から公務員や専業主婦も対象となり、現役世代のほぼ全員が加入できることになった「確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん、略称:DC、☆)」。
「節税しながら老後の生活資金をためられるおトクな制度」と注目を浴び、「やらなきゃ損!」とまで言われていますが、何がどのようにおトクなのか、具体的にはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
実は、ひとくちに確定拠出年金の税制メリットといっても、色んな種類があるのです。
今回は確定拠出年金に加入してから60歳以降の受取時までの税制メリット、注意しておきたいポイントについて解説します。
☆確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)とは?
公的年金や企業年金にプラスするかたちで自分で積み立てる「年金」のこと。拠出したお金を、投資信託などで運用する。個人でも節税ができることや、2017年1月から加入対象者が拡大したことから、いま、老後資金づくりの方法として注目を集めている。(参考:これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由)
確定拠出年金の税制メリット①:運用期間中の「運用益非課税」
通常、金融商品の利息や運用益には、20.315%の税金がかかります。内訳は、
- 所得税=15%
- 住民税=5%
復興特別所得税=0.315% となっています。
例えば、毎月2万円ずつを、利回り2%(年)で30年間運用したとしましょう。
掛金は「2万円✕12カ月✕30年間」で合計720万円となり、運用したことによる利益は約264万円。この264万円をまるまる受け取れる、と思ってしまいがちですが、実はここから20.315%(今回ならば約53万円)が差し引かれます。
せっかく264万円、運用して利益を上げたのに20%以上も税金で持っていかれると思うと悲しいですよね。
そこで、老後の資産づくりのためにと設けられた確定拠出年金では、運用によって出た利益には税金がかからないようになっているのです。
運用している資産から税金分が引かれないため、複利効果(☆)が高まり、税金が引かれたときに比べると、より大きく資産を育てることができます。
☆複利効果(ふくりこうか)とは?
「資産に金利がついた後、次にその金利も含めて運用すると、金利にさらなる金利がついて雪だるま式に資産が増える」効果のことです。期間が長いほど効果は高くなるため、早い時期から少しでも利益を積み上げていくことが重要とされています。(参考:貯金先も賢く選ぼう。金利の高い銀行ランキングTOP5)