ただ静かに遠ざかればいい
怒り、ののしることは、自分を受け入れられなくなることに対する八つ当たりだと自戒したい。関係のない人やものに対しては、怒ることも、ののしることも必要でなく、どうしても関心や同感がもてなかったら、ただ静かに遠ざかればいい。 (『完本 戒老録』)
変わった人でも、会えてよかった
このごろ年をとったよさをしみじみ思う。まるで短篇小説のような人生の片々がたくさん記憶にあって、そのどれもが、いぶし銀のように輝いているのである。
若い時には、いい人か悪い人か、好きか嫌いか、であった。しかし今では、どんな変わった人も、おもしろい、会えてよかったと思う。退屈な人は一つのグループだけで、「権力欲の強い人」と「有名人に近づきたがる人」だけである。他の人はどんな癖も楽しく思える。(『「群れない」生き方』)
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