投資を始めるタイミング
雑誌の特集などでは、よく資産運用についてのアンケート調査が行われていますが、始めたきっかけを「老後のための準備」とする回答がとても多く見られます。定年になり退職金をもらったから投資をしてみよう、と考える人も少なくありません。けれども、実はそれは非常にリスクが高いやり方なのです。
積み立ては早く始めるほど有利です。
資産運用はスポーツやお料理と同じで、段々と腕が磨かれていくタイプのもの。情報や知識だけでなく、練習を重ねて経験値が増えるほど、運用もうまくなっていきます。金融機関にすべてお任せで大成功したという話は、残念ながらあまり聞きません。
ただ、月々3000円であれば1年間で3万6000円。20年続けても元金は72万円です。これが仮に倍になったとすると144万円。それだけ増えれば十分うれしいかもしれませんが、老後資金としてはちょっと心もとない金額ではありますね。
ですから、3000円はあくまでも「きっかけ」の金額として捉え、いずれは老後の資金作りを……と思うのであれば、慣れるに従って少しずつ投資金額を増やしていくことも考えたいですね。
初心者が気をつけるべきポイント
積立投資の成功者になるには、一にも二にも「感情に左右されずに継続する」こと。
金融商品の価格は日々変動していて、ときには大きく下落することもあります。そんなとき、投資ビギナーさんが不安でいっぱいになるのは当然のこと。しかし、そこで、不安に駆られて積立投資をやめてしまったら、安値で買える機会をみすみす逃してしまうことにもなるのです。
先ほども述べましたが、価格が高いときも安いときも買い続けることで、平均購入単価を下げられるのが積立投資のメリットです。いっそのこと、積立投資を始めたらいったん忘れてしまうのも一つの手ですよ。
また、同じような内容の投資信託でも、金融機関によって手数料が違う場合があります。どうせなら手数料は安く抑えたいものですし、どの商品にしようか迷っているなら、手数料を見比べてみるのもいいでしょう。
とにかく始めてみよう
投資の話をすると、必ず聞かれることの一つが「どこの証券会社がいいですか」という質問です。本来であれば、各商品を細かくリサーチし、比較検討して決めるべきですが、とにかく始めてみることが今回の目的です。
まずは、手数料が安いネット証券で口座を開いておくのが無難です。慣れてきたら、各社の得意分野やサービスを比べて、自分の好みに合う会社を見つけましょう。なお、NISAやiDeCoで積立投資をしていきたい場合は、専用の口座を作る必要があります。
月々3000円といっても侮れません。ここから5年間、少しリスクをとって、何もしなかった場合と比べてみてください。
文・深川美幸(ファイナンシャル・プランナー)/DAILY ANDS
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