この流山に注目して『流山がすごい』(新潮新書)を書いた大西康之と、地域エコノミストの藻谷浩介が、新潮誌面で流山について語り合っている。

 大西は、「今の流山には、自分たちの市を自分たちで作っていく、という雰囲気があるんですよ」といっている。これがほかの町と流山の一番の違いだろう。

 私は東京の中野区というところに住んでいるが、私を含めた多くの住民は、この町を自分たちの町、自分たちで作っていこうなどと考えてはいない。

 都心からの交通の便が良くなったことが大きい。少し前までは都心から流山は遠いところだった。

 だいぶ前になるが、私の親しくしていた医師の庭瀬康二が流れ山に移り住んで、「老稚園」という老人医療を始めた。

 ノンフィクション作家の本田靖春は流山の病院で晩年を過ごした。やはりノンフィクション作家の佐野眞一も流山に居を構え、先ごろ亡くなった。

 草深いといっては失礼だが、昔とは様変わりした流山を久しぶりに訪れてみたくなった。