新潮のほうは、現役時代は角界のアラン・ドロンといわれた元大関の霧島、協会ナンバー2の陸奥親方のお話。

 新潮によると、この部屋の三段目の安西(21)が、同じ部屋の兄弟子から日常的に暴力を受けていて、そのことは親方も相撲協会も把握していると話しているのだ。

 加害者は三段目の霧の富士(28)で、稽古中に殴られたり膝蹴りは当たり前で、休んでいる時にエアガンで撃たれたりフライパンで叩かれるなど、“可愛がり”などという生易しいものではないという。

 親方も知るところとなり、「協会にいっておく」といったが、協会からは部屋の中で解決しろといわれたそうだ。

 結局、霧の富士を引退させることになったが、この問題は公にはならなかった。

 こういう体質こそが、相撲界にいまだに残る暴力問題を根絶やしにできない根本原因なのだ。

 陸奥親方は新潮に対して、

「やった方は暴力じゃなくて指導のつもり。それは家庭でもあるんじゃないですか。家庭の兄弟げんかと一緒なんです」

 こういう認識の親方がいる限り、弟子たちは暴力の恐怖に神経も体力もすり減らしていくのだ。