さて、大相撲の5月場所が始まった。だがここには巨漢で有名だった元関脇・逸ノ城(30)の姿はない。彼は5月4日に「電撃引退」を発表したからだ。
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異常だったのは、同席した湊親方とは一度も目を合わせることなく、別々の出入り口から退場していったことだった。
引退の理由は「腰痛の悪化」だが、それは表向きの理由で、「逸ノ城は四月以降、稽古を無断でサボり続け、飲み歩いていました。クビではなく引退のかたちをとったのは、親方の最後の“親心”です」(湊部屋後援会関係者)
酒を飲んでいないときは気の優しい人間だが、ひとたび飲むと暴力沙汰に及ぶことを心配して一緒について来たおかみさんにまで手をあげてしまった。
何度か話し合い、独り暮らしを許したが、酔いつぶれて稽古に出てこないことが何度もあった。だが、昨年7月の名古屋場所で悲願の初優勝を果たし、事態は好転するかに見えたのだが……。
コロナ禍の中でも無断で外出し酒を飲んでいたことで、昨年12月には一場所停止処分になってしまったのである。
両親が心配してモンゴルから来日してきたが、逸ノ城はあっさり、「じゃあ辞めます」といい、2日後には引退会見を開いた。
酒のために相撲界を去った。逸ノ城らしいともいえるな。