そこで優斗は全員で協力して食料を探しに行くことを提案するが、年配の乗客たちは「よかった、若い人がいてくれて」と他人事のように語る。その態度に美容師の萱島直哉(山田裕貴)は「あのさぁ、甘えんじゃないよ。自分で食べるもんぐらい自分で見つけろ、な? いつも誰かが何とかしてくれると思うなよ」と怒りをぶつけ、優斗に頼りきりの他の乗客たちにも「動かない、役に立たない、食べられない。そういうやつから死んでいくぞ? それが嫌なら……動け。働け!」と説教する。

 直哉のこの一言がきっかけで乗客の意識にも変化が。多くの乗客が協力してこの世界で生き延びることを目指そうとし始めた。大学院生・加藤祥大(井之脇海)は、植物学の知識をいかして頼りになる存在になりつつあり、他の乗客たちも自分たちなりに貢献しようと動き始め、車内の空気は少しずつ和らいでゆく。

 一方、第2話でも飲料の入ったカートを独り占めにしようとした田中弥一(杉本哲太)はこの連帯から外れていく。怪しい人影を発見した田中は、直哉の商売道具であるシザーケースを勝手に持ち出す。見失ったと言って車両に戻ってくるが、当然、直哉は激怒。以前の行動もあって直哉は車両から出ていくよう言い、優斗の制止も聞かず、田中は車両を降り、ひとり離れたところを拠点とする。

 しかし、田中に対する直哉の疑念は深まるばかり。乗客たちが食べられる植物を見つけ、全員で食事をするシーンでは、料理に使ってないはずのムクノキの実がなぜか混入。畑野紗枝(上白石萌歌)がムクノキと間違って有毒のイヌホウズキを食べて倒れた場面を田中が見ていたことを思い出し、直哉は田中が食事に毒を混入しようとして誤って無害なムクノキを入れたのではと疑う。