そんなエッセーに、家族や関係者への取材によるエピソードや、独自の視点での脚色を加えてドラマ化する本作で、主人公・岸本七実を河合が演じ、彼女を見守る両親として、母役に坂井真紀、父役に錦戸亮、ダウン症の弟役にはオーディションを経て新人の吉田葵を起用。祖母役は美保純が務める。演出は、国内外で高い評価を得る映画監督の大九明子氏が担う。
河合は、原作について「私の感覚で言うと、今演じている七実よりもご本人の方が底抜けに明るいかもしれないです。原作からは離れて、ドラマ上の七実を作っている感覚なので、若干の違いはあるんです。でも、岸田さんが生まれ持っているエネルギーと家族に対する愛は、本当に受け取るものがありましたし、すごくエネルギッシュな文章で、読んでいるだけで100以上伝わってくるというか。人物像っていうよりも、エネルギーみたいなものを受け継いだ感じです」と触れつつ、「現場にお母さんと弟さんと3人でいらしてお会いした時に、本当に思った通りの、手を取り合って生きてきた3人、明るく温かく生きてきた3人を体感しました。その日を境に、どんな結果になっても、何を描いたとしても、本当に岸田家に胸を張って『心をこめて一生懸命家族のドラマを作りました』って言えるようにはしたいと、強く思うようになりました」と明かす。