第3話で気になった部分はもうひとつ、それは序盤で久実が手にしていた花瓶だ。涼子の探偵事務所で働くこととなった久実に諫間が就職祝いとして贈ったものだが、若者向けとは到底思えない無骨な佇まい。前話で諫間が見せた抜け目のなさから、花瓶には盗聴器が仕込まれているのではないだろうか。涼子と諫間の関係は雪解けとはほど遠いだけに、今後も涼子を利用しようとして手を打ってくる可能性は十分あるだろう。前話で諫間は、久美が結局家を出てしまったため「久美を連れ戻す」オーダーを達成できていないからと難癖をつけて報酬の支払いを拒み、代わりに客を紹介してやるとしていたが、それもすべて最初から諫間の思惑だったのかもしれない。しかしそのあたりは、諫間の性格を知っている涼子も承知のうえのはず。今のところほとんど役立たずな久実を事務所に迎え入れたのには、対・諫間のための涼子の計算も働いていそうだ。

 第4話は、涼子が初めて探偵として受けた依頼の話になるようで、涼子と貴山の出会いも描かれるようだ。この“過去編”は、第3話でほのめかされた貴山の事情ともつながるのだろうか。今夜の放送が楽しみだ。

■番組情報
月曜ドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~
フジテレビ系毎週月曜22時~
出演:天海祐希、松下洸平、白石聖、中川大輔、丸山智己、仲村トオル ほか
原作:柚月裕子『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』(講談社文庫)
脚本:根本ノンジ
音楽:眞鍋昭大
主題歌:ざきのすけ。「彼は誰どき」(ソニー・ミュージックレーベル)
プロデューサー:萩原崇、清家優輝
演出:光野道夫、二宮崇、倉木義典
制作協力:ファインエンターテイメント
製作・著作:カンテレ
公式サイト:ktv.jp/arienai