◆やっと身体を重ねたら、むしろ気持ちが無くなった

 2人は身体を重ねたものの、陽一はただただ“フィニッシュすること”ばかりで、みちが求める心が満たされるそれではなかった。実際、みちも「セックスさえすれば満たされると思っていました。でも、あの時夫の気持ちがここにはない気がして」「とっくにわかっていたんです。気付かないフリしてただけで」と誠に吐露している。

第3話より
 陽一としても「何とか最後までいかなきゃ」という焦りの中での営みになり、みちに意識を向ける余裕がなかったのかもしれない。とはいえ、「好きな人に求められたい」という願望が叶ったことでむしろ気持ちが無くなる、という皮肉な結果になってしまった。