◆“オムライスの食べ方”に垣間見る夫の傲慢さ

 みちと誠で差がついたように思われたが、そんなこともなかった。みちは陽一のためにオムライスを作り、綺麗にできたほうを陽一の分にして、焦げたほうを自分の分にする健気さを見せる。ただ、陽一は席に着くなり、「綺麗にできたね」という言葉もなく、雑にスプーンで崩しながら口の中にかきこむ。一緒に「いただきます」と言って食べたかったみちは早速プランが崩れるも、何とか急いで不格好なオムライスをテーブルに運んで席に着く。

第4話より
 オムライスが上手くできなかったことを口にして、楽しく話をしようと試みるも陽一は「気にすんなよ。食べたら一緒だ」と返すのみ。「美味しい」とは言ったものの、「食べたら一緒」とは「見た目なんてどうでも良い」と同義であり、作ってくれた人への感謝もない。陽一なりに気を使った言葉なのかもしれないが、微妙に食べ残すあたり、お皿をシンクに持っていかないあたり、配慮の無さと傲慢さが垣間見える。その後のみちの「ぽっつーん」の攻撃力も相まって、2人の距離が離れ離れになっていることが明白となった。