3.「書類だけ見て貰えばいいんで、お宅が持っている案件から私に良い案件紹介してよ」
3.についても同様です。
「私に良い案件」を紹介してほしい。と一口に言いますが、「良い」案件の定義は人によって千差万別。
たとえば【看護師】という職種に絞っても、転職者によって「ライフワークバランスを整えたい。土日祝休めるクリニックに転職したい」という人もいれば、「技術を磨きたいので急性期病棟で働きたい」という人もいます。「病院勤務ではなく施設で働きたい」という意向は共通していたとしても、「効率よく稼ぎたいから夜勤専従で」という人と、「リハビリに力を入れている施設で働きたい」という人とでは、提案する施設の種類が変わってくるわけです。「良い案件」と一口にいっても希望の中身にはこれだけ差が出ます。
「これだけの情報なら電話のヒアリングで十分じゃない?わざわざ会う必要ある?」という意見もあると思いますが、キャリアコンサルタントは面談時の佇まいや直接話してみた雰囲気から「高級老人ホームでの接遇もできる人なのか」や「一見不愛想に見えるけれどテキパキした身のこなしで、●●病院が採用しそうな人材だ」等の情報収集をするものです。
こういった情報が提供できることこそ、真の「人材紹介会社を使う意義」だと思うのです。
この働きがない人材紹介会社は、ただの書類の受け渡し機能であるというだけ。AIにすぐに代替されるサービスです(キャリアコンサルタント自身もこれは肝に銘じるべきかと思います)。
面談時にはこういった情報収集をされる(商材としての自分の価値を判断される)という意識は、頭の片隅に置いておいたほうが良いと思います。
選考中の案件を隠す・他のコンサルタントとの進捗を隠す
複数の紹介会社を使って転職活動することはごく当たり前のことですが、中にはその進捗を隠す方がいらっしゃいます。一番困るのが、選考が進んで最終面談時、内定条件を引き出した後に「実は他社からも内定が出ていて、そこからは●●万円の提示がされているんです」等の「後出しじゃんけん」がされるケース。
最初から内定時の金額交渉をするつもりがあるのであれば、予め「●●の選考もうけている」ことや「最低●●万円は欲しい」と双方のキャリアコンサルタントに伝えておくべきではないかと思います。
スケジュール調整や金額調整をすることもキャリアコンサルタントの仕事なので、正直に状況を相談していただければ、その転職者にとってよりよい条件を引き出すためにより一層努力するようになると思います。
要は、相談する【タイミング】なのです。年収を最終交渉して、「内定通知書」等の正式書類に起こしていただいた後で「実はもう50万円年収を上げてほしい。他社がその金額を上回ってきているので」と言われたとしても、覆すことは難しいです。
ご自身が今所属している会社を想像して貰えばわかると思いますが、「正式書類」は様々な決裁者の手を経て作られるものです。一度決裁されたものは、簡単には覆らないのは組織としてごく当たり前のことなのです。
年収の交渉にはご注意を
仮に、交渉がうまくいき、入社を決めたとしましょう。あなたは「結構強引な年収交渉をしてきた転職者」としてその会社に中途入社することになるわけです。
より強く、早くに「結果」が求められる状況での入社になることを覚悟したほうが良いでしょう。
入社後の居心地を考えると、「強引な年収交渉」をするより、入社後の成果をじっくりみてもらって評価され、年収を上げていくほうが健全ではないかと思います。
では、今日はこの辺で。またお目にかかりましょう!
キャリアアドバイザーA
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