「ウケている同期が気に食わない」の次の感情は?
ついに覚悟を決めた山里は、大阪のNSC(吉本のお笑い養成所)に入学する。得意のハッタリを生かして相方を見つけてコンビ・侍パンチを結成するも、ネタ見せではなかなか高評価を得られない。さらに、若手コンビ・パンプキンポテトフライが演じる同期のエリート・ヘッドライト(モデルはおそらくキングコング)の活躍で、妬み嫉みが加速する。彼らに関する悪評を流したり、悪口を書いた張り紙をするなど、芸事以外にも力を注いでいた。
ウケている同期が気に食わない――は、最初の感情だ。この次に、他人のネタで笑っている同期が憎くなってくる。
「なぜ負けているのにヘラヘラしているんだ」
「お前らが笑うせいで余計に、エリートが調子に乗るではないか」
「少しは意地を見せろよ」
「嘘でもいい、自分のほうが面白いと言え」
芸人として当然の感情だと思う。
溜まりに溜まった妬み嫉みの矛先は、他の同期と同じくヘラヘラしていた相方の宮崎(九条ジョー)へ向けられる。「なんでやねん!」を永遠に練習させる、「エピソードトークを10個作ってこい」と無茶な要求をする、お笑いのビデオを観るためにバイトを休ませるなど、厳しい指導はパワハラに発展。いつしか宮崎はお笑いを楽しめないようになってしまい、解散することに。幼馴染ならともかく、養成所で組んだ急造コンビの絆では、この壁を乗り超えるのは難しい。
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