今回取り上げられた研究課題は3つ。「箱の中身はなんだろな?史」「淡谷のり子の低得点史」「カラオケビデオ俳優史」だ。なるほど、いずれも確かに「なんの役にも立たない、明日には忘れている、二度と使うことのない情報」である。

 番組は、研究員が調べてきた研究結果を発表するというスタイルで進行する。どれも面白かったのだけれど、今回はレギュラー放送初回の一発目で取り上げられたテーマ、「箱の中身はなんだろな?史」を振り返りたい。

 昔からテレビで繰り返し見てきた「箱の中身はなんだろな?」。番組はまず、その起源に迫る。訪れたのは山口県・下関市のある神社。どうやら平家物語のなかに、「箱の中身を占ってみよ」と帝に言われた安倍晴明が「栗でございます」と言い当てた、との逸話が残っているらしい。このことをもって、番組は「箱の中身はなんだろな?」には1000年以上の歴史があると主張する。

 もちろん、これはツッコミどころ満載というか、あきらかにツッコミ前提で提唱されている“歴史”だ。番組内でもバカリズムが「システムが違う」などと指摘していた。が、学術研究のスタイルを模してパロディっぽくお送りするバラエティでよく見るのは、ツッコミやすい程度に大げさにすること。そんな大仰さは、このような番組の面白さのひとつだけれど、番組が提示する“歴史”がバラエティ的な脚色を含むことの一種のエクスキューズでもあるのだろう。その意味で、最初のテーマの冒頭で大げさすぎる起源が示されたことは、「これはこういう番組ですよ」との自己紹介、「こういう番組として見てくださいね」とのガイダンスだったようにも見える。番組では、次のようなフレーズが繰り返される。