◆夫のコンプレックスは浮気の原因となり得るか
ドラマ『夫婦が壊れるとき』は、第2話ですでに夫の不倫相手がわかってしまうという展開。真壁陽子(稲森いずみ)の頭の中は、夫・昂太(吉沢悠)の不倫疑惑でいっぱいだ。
映画監督である夫は、地元の名士である佐倉から妻がオープンしたレストランに招待されていた。陽子は自分も行くと言い張ってついていく。
夫は佐倉に挨拶をする前から極度に緊張している。陽子が顔を出すと、彼女の患者でもある佐倉の妻は大喜び。そこから一気に佐倉も昂太に親身になる。前回も、昂太は友人から「おまえは玉の輿だ」と言われていた。昂太の妻へのコンプレックスは大きいようだ。
◆稲森いずみ、内臓がせり上がってくるような迫真の演技
一方、陽子はそのレストランで自身の患者でもある芽衣(結城モエ)がアルバイトをしているのを見かける。芽衣は恋人のDVに悩んでいるが、男と別れようとはしない。彼女は陽子に言うのだ。
「平凡な人間は不幸から目をそらすしかできない。前に一歩踏み出せるのは力のある人だけ」
先生が羨ましいと言う芽衣に、陽子は思わず夫の不倫疑惑を愚痴ってしまう。証拠をつかんで追い出せと芽衣は言うが、そんなに簡単なことじゃないと陽子はつぶやく。そして芽衣に夫を尾行してもらうのだ。
その結果、陽子は夫のもう1台の携帯を発見する。携帯を見てわかったのは夫が女と会っていたこと。その女が佐倉の娘・理央(優希美青)だったことだ。夫の同僚や佐倉の妻、さらには夫の友人夫婦までもが理央と昂太とともに撮った写真がある。知らなかったのは自分だけなのか、周りにも騙されていたのか。陽子の屈辱感と衝撃を、稲森いずみが内臓がせり上がってくるような迫真の演技で表現する。さらにSNSのやりとりから、陽子の親友で同僚の女医が昂太の不倫を後押ししていることもわかってしまう。