◆完璧すぎた妻に、胃がもたれてくるような感覚

「妻は完璧すぎた。ありがたいけどだんだん胃がもたれてくるような感覚になりました。もっと適当でいい、いいかげんでいい。ときには寝坊して髪を振り乱す妻くらいのほうが僕も気が楽だと思うようになってしまったんです」

家事
共働きだから、もちろんマサオさんも家事を分担した。だが、妻は8割方、涼しい顔でやってしまう。

「僕が風呂掃除をする番だとバスルームにいくと、きれいになっている。さっき手があいてから簡単にやっておいたと妻は言うんですが、僕が時間をかけてやるよりよっぽどきれいになっている。そういうのもだんだんつらくなってきた。自分の無能さを見せつけられているような気がして」

妻が弱れば、心から頼ってくれるのではないかと思ったこともある。実際、4年後に出産した妻は、その前後だけはマサオさんの家庭内の仕事を奪わなかった。だが、彼女は育休もほとんどとらずに仕事に復帰し、以前にも増して仕事をした。