さらに、「僕が一番尊敬の念がたえない文化で、世界になくてはならないもの」と音楽に強い愛情を持つリリーは、「それは僕に限らず、人は音楽とともに昔から生きているわけですが、コロナ禍では、歌ってはいけないというSFみたいな経験をすることで、あらためて音楽でつながっていたり、生々しさに助けられて生活していたんだなということを再確認しました。この番組はゲストにとても負荷をかける番組で、人の曲を生演奏でやってもらわなきゃいけない。よくプロデューサーが頼めているなと思うんですが(苦笑)、番組が始まった頃、ミュージシャンがほかの人の曲をカバーすることをいいと思っていない時代もあって。でも、長くやっていくとカバーすることが特別ではないことになってきて、そんな時代の空気とマッチしていると思います」とコメント。

 上白石も「私にとって音楽は心の処方箋。どんな心の状態であっても、寄り添ってくれるもの。私自身も音楽に救われたことがたくさんありますし、自分で歌を歌うことにも、音楽を聴くことにも助けられてきたので、食事と同じぐらい大切なもの」と、音楽は自身にとってなくてはならないものであることを伝え、「番組でのカバーは原曲の素晴らしさはもちろん、それを歌う方々のよさも同時に知れるので、同じ曲を違う方が歌うとこんなにも違う風が吹くんだなと感じます」とカバーだからこそ感じられる魅力があることをアピールした。

 そして、番組が長く愛される理由についてリリーは、「ちょうど運があった。サブスクリプションやインターネットで音楽を聴く時代になって、昔の曲と今の曲という区別がなくなってきている。以前はなかなか昔の音楽に触れることがなかったのですが、今はいろいろな音楽が同じお盆に乗っている状態。例えば小学生が1980年代アイドルのことを知っているのが当たり前の世の中になったのは、そういう音楽環境のおかげだと思うし、だからこそ、番組が長く続いているのかな」と分析。