フロー、グレイを取り囲む魅力的なキャラクターたち

キャストについては「舞台上には約30名ほどの演者さんが揃う予定」(シュワルツ氏)とのことで、フロー、グレイ以外のメインキャストは「ヴィラン的な敵対する役どころのジョン・ホール、(グレイ同様)もうひとりのゴーストであるデオン・ド・ボーモンも非常に魅力的なキャラクターとして登場します。さらにプリンシパルとしてはフローレンスの友人である若いナースのエイミー、もしかしたらフローレンスとの間に何かあるんじゃないかなと感じさせる男性、アレクシスが出てきます。またスクタリや戦場、病院から今どんなことが起きているかを報告する新聞記者ジョン・ラッセルも重要人物として登場します。ほか原作同様にフローレンスの父母、姉もしっかりいます。それ以外にもフローレンスやグレイの人生に関わった人が出てきますが、全部語るとネタバレになりますのでサプライズとしてとっておかせてください(笑)。アンサンブルも大人数登場する予定です」とのことだ。

原作の再現性に関しては「ビジュアルの部分はもちろん原作漫画がインスピレーションのもとになっていますが、やはり舞台版の見え方、スタイル、雰囲気が出てくると思う。物語に関しても、基本的には原作の物語を追いますが、異なる部分もある。原作の藤田先生には、台本の進捗を話し、相談させていただいたりしています。とても応援してくださり、ポジティブなフィードバックをいただいています」とシュワルツ氏。

原作者コメント「これを本当にミュージカルにできるのでしょうか?……」

上演決定に際し、原作の藤田和日郎は「長いこと漫画を描いてきて、口を「え?」の発声のカタチのまま固まることがあるとは思いませんでした。自作が「劇団四季」のミュージカルになるとは! この作品はとんでもない幽霊が出ますし、激しいアクションシーンはもちろんのこと、もの凄い女性が途轍もない力で戦場を変えていきます。これを本当にミュージカルにできるのでしょうか? …………知りませんよう。演出のスコット・シュワルツさん、脚本の高橋さん(笑)。一方、この斜に構えたゴーストと信念のレディの心が交わる大変なお話を既に描き終わっております自分は、ただもうワクワクしながら、素晴らしい上演を待っておりますね。ただし、まだ口は驚きのカタチを残したまま」とコメントを寄せた。

脚本・歌詞は高橋知伽江(『アラジン』、『アナと雪の女王』、『バケモノの子』ほか)、作曲・編曲は富貴晴美(『バケモノの子』。振付はシュワルツ氏が「親友」と語る、チェイス・ブロック(『ノートルダムの鐘』)が手掛ける。今回のシュワルツ氏の来日にあわせリーディングワークショップをすでに行い、現在美術プランや楽曲制作の進行中とのことだが、今後の進行の予定としては、8~9月に劇団内オーディションを実施、その後読み合わせやステージング検証を経て、本格的な稽古は来年2月にスタートするそう。公演は2024年5月にJR東日本四季劇場[秋]にて開幕、期間は半年程度を予定し、その後は各地での上演も検討中とのこと。チケットは2024年1月発売開始予定。