◆エピソード3の“仕掛け”に驚愕。一気に胸を打たれた

 大波と吉崎の2人のご遺体の搬送を請け負った那美だったが、急な天候不良に見舞われ、どちらか1人のご遺体しか日本にすぐ送れない事態に。とはいえ、吉崎を先に搬送する予定だったが、大波のために盛大な社葬を計画しているオーナミの総務部長・井村(菅原大吉)からのゴリ押しされる那美。どちらのご遺体を優先するのかハラハラする展開ではあるが、話が進むにつれて2人の過去、また周囲の人達との思い出などが明らかになる。

 大波大介のエピソードでは、ミステリー小説などで見られる叙述トリックのような“罠”が仕掛けられており、その組み立てに思わす唸ってしまう。一方、吉崎恵のエピソードでは途中までミスリードを誘い、途中まで抱いていた「最後に大好きなアイドルを見られたんだから良かったのでは?」という思いをしっかり裏切られる。それと同時に吉崎恵という人間の魅力がどっと押し寄せ、一気に胸を打たれた。

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 見ている側を思いのままに振り回しながらも、心地の良い着地点へと誘ってくれるストーリー展開はとても素晴らしい。エピソード6がラストではあるが、続編を匂わせる内容だったため続きが待ち遠しい。

<文/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki