期待の若手女優・伊東蒼を主役に抜擢した『世界の終わりから』は、過去の3作品がベースになる物語があったのに対し、紀里谷監督によるオリジナルストーリーとなっている。

 事故で両親を失い、唯一の家族だった祖母も亡くなり、どこにも居場所のない女子高生のハナ(伊東蒼)は、夜ごと奇妙な夢を見るようになる。現実の世界に絶望しきっていたハナだが、夢の中での彼女の行動が、終末が近づきつつある現実の世界を救うことに。ハナの決断が、人類の命運を左右するというダークなSFファンタジーだ。

 紀里谷監督ならではの派手なCGシーンは、本作では控えめ。その分、この歪んだ世界を救うことはできるのか、決められた運命を変えることはできるのかというテーマ性がはっきりと伝わるものとなっている。

 紀里谷監督は本当に監督業を辞めるつもりなのだろうか。また、なぜそう決意することになったのか。紀里谷監督に1時間にわたって真相を語ってもらった。