コナンは、「万が一のために被害がほかに及ばないようにしている」という降谷から3年前の11月6日に降谷、松田、伊達、諸伏ら警察学校の同期が遭遇した爆破未遂事件の顛末を聞き出す。首輪爆弾のために身動きが取れない降谷の代わりにコナンは、一連の事件の捜査に乗り出す。

 さらにその翌日、コナンと少年探偵団のメンバーは村中の結婚相手、クリスティーヌの友人からにプレゼントを受け取りにハロウィンの装飾であふれかえる渋谷の廃ビルに向かうが、部屋の中にコナンだけが閉じ込められる。部屋にあったのは水色とピンクの液体を使った時限爆弾。それは3年前に松田らが解体した爆弾と同じものだった。

 劇場版コナンシリーズは20数年に渡り展開されている作品なので、登場人物同士の複雑な関係や、以前の事件がのちの物語に繋がっていたり……とにかく複雑なのだが、大体過去の騒動や事件は丁寧に(しかも説明調ではないように)説明されるので、初見の観客でも置いてけぼりにならずについていけます。この辺が20数年にわたって国民的アニメ作品として人気のある所以だろう。

 コナンは劇場版で毎回、日本の都市がテロ騒ぎに巻き込まれている。時事ネタに絡めた騒動も起きる。今回はハロウィンを舞台に渋谷の街で未曾有のテロが行われようとする。ここ数年、日本ではハロウィンの乱痴気騒ぎが問題化しており、『ハロウィンの花嫁』ではテロリストがハロウィンの装飾に爆薬を紛れ込ませ、すり鉢状になった渋谷の地形を利用して大量殺人を目論む。よく考えると結構、恐ろしい話ではある。