スタッフが「渋谷ハロウィンの浮かれた連中を痛い目に遭わせてやる!」と思ったのかどうかは知らないが、なんらかの怒りのようなものが見えなくもない、という見方は穿ちすぎかな?

 ちなみに爆弾テロリストはロシア人のプラーミャ(ロシア語で「炎」を意味する)というのだが、ロシア人の爆弾テロという設定も微妙に世情を反映していると言えなくもない! まあ、ロシアは国家自体がテロというか……おっとこれ以上はやめておこう。

 プラーミャの凶行を止めようとするロシア人の民間組織が出てくるという展開も、プーチン政権に民間人がデモで抗っているようではないか。ファミリー層向けのアニメ映画にしてはポリティカル・メッセージが含まれている……ようにも見える!

というのは、筆者のひねくれた見方かも知れない。

 20年以上も続く人気アニメの傑作として楽しむのが一番だ。しかし本作がシリーズ最大の興行収入97.8億円を達成した背景には、こういった世情を反映させたかのようなシナリオが評価されたからではないか? いや絶対そうに違いない!(断言)