◆撮影しながら気づいた環境の変化
カワセミなどの野鳥を撮っていると、やはり環境の変化も気になるようになります。ここ数年桜の開花時期が早まっているのは、気象庁によれば温暖化の影響があるそうです。このまま気温上昇が続くと、ソメイヨシノが咲かなくなるとの説もあります。川や池などに落ちているゴミも気になります。
特にペットボトルやビニール袋などは、自然界では分解されづらく、細かく砕けたマイクロプラスチックは生物の体内に蓄積し、害を与えるとの研究もあります。野鳥なども、プラスチック片を誤飲して、死んでしまうこともあるのです。自然や生きものは本当に素晴らしく、美しいです。だから環境が悪化しないように、私たちは努力しないといけないと、撮影の中で思います。私の撮った写真を見た人々にも、そう思ってもらえると嬉しいです。
<写真・文/藍沙>
【藍沙】
2006年、東京都生まれ。現在16歳、高校2年生の写真家。動物写真家の小原玲さんに指導を受け、小学5年生から野鳥を撮り始める。中学3年生の時、富士フイルムの若手応援企画「写真家たちの新しい物語」の対象に選ばれ、2020年、伝統ある富士フイルムフォトサロン東京で歴代最年少での個展を行う。同年、全日本写真連盟主催の「日本の自然」コンテストで「朝日新聞社賞」を受賞。NHKBSプレミアム『ワイルドライフ』(2022年4月4日ほか複数回放送)など、テレビ番組にも出演。現在、『毎日小学生新聞』(毎日新聞社)にて、地球環境と生きものたちをテーマに写真とエッセイを連載中。愛機は富士フイルムのミラーレス一眼カメラX-T4。愛用レンズは XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR。