「かつて日本ではペットの王者は犬でしたが、犬とネコの飼育数の差はどんどん縮まり、2017年にはついに逆転しました。背景としてはいろいろな原因が指摘されていますが、1つ考えられる大きな理由は住宅事情です。犬は基本的に戸建てでないと飼うのが難しく、都会暮らしの場合、それだけでも非常に高いハードル。たとえ戸建て住まいでも、鳴き声に対する世間の目は厳しくなっており、犬好きの肩身はどんどん狭くなっています。

 犬種にもよりますが、犬は散歩が必要で、それも犬が避けられる一因になっています。昨今はペットの寿命が飛躍的に伸び、飼い主が散歩に付き合えなく事態を想定する必要があります。子どもと同居するのが当たり前だった時代なら、そんな心配は無用でしたが、核家族化が進み、実家のペットの面倒は老親が見る時代。犬の散歩で転んで骨折なんてケースもありますしね。

 そして、ネコより犬のほうがお金が掛かるというのも、犬ネコ逆転の大きな理由です。ペット保険を取り扱うアニコム損保の調査によれば、ネコに対する出費が1年に17万円だったのに対し、犬は35万円と、ほぼ2倍。犬を飼えば月3万円の出費ですから、躊躇しても不思議はないでしょう」(マネー誌記者)

 もはや、犬を飼えるのは“選ばれた人のみ”ということか。ただ、それだけの理由でネコ番組が増殖するのはおかしいようにも思えるが、これはどういったことか?