◆『罠の戦争』『エルピス』で飛び出した、忘れられない言葉

 『エルピス』と言えば、テレビ局に勤める浅川(長澤まさみ)と岸本(眞栄田郷敦)が、とある冤罪(えんざい)事件の真相を究明しようと奮闘する姿が描かれたドラマだった。冤罪事件だけではなく、現実で起きた様々な事件を作品内に盛り込んでおり、ただの“エンタメ”としての消費をさせないほどの熱量があった。

「自分たちが生きている世界で今なお起きていることが、ニュース番組のようにドラマとして今目の前に映し出されている」という危機感も同時に与える鬼気迫る内容で、今でもそのストーリーを鮮明に覚えている人は多いだろう。

 今回は、カンテレが手掛ける政治を軸にした両作品を題材に、作中で飛び出した“政権”においての発言に触れながら、勝手に制作側の意図を夢想したい。