――劇中、正一は病気で倒れますが、ご自身はそういった体験はありますか?
「倒れたことはないですね。どちらかというと、年の割には元気だと言われることが多いので。でも最近は、血圧がどうだとか、ちょっと調子が悪いと周りの人間に語ることが多くなりました。2年前に70(歳)の大台に上ったんですが、その時に残り時間がそんなに多くはないなと気付いたんです。バリバリやっても80歳くらいまでかなという感じもあるし、こればかりはよく分からないんですが、先のことを考えるよりも、今のことを考えなきゃという気持ちになって、今の人生を丁寧に生きていこうと思うようになりましたね」
――過去を巡るストーリーですが、もし過去に行けるとしたら人生のどこのポイントに連れていってもらいたいですか?
「1年ほど前、余さんがナレーションをされている『ファミリーヒストリー』(同局)に出演させていただいた時に、父親のことをきちんと知ったんです。おやじは俺が四つの時に40歳で亡くなったのですが、亡くなる直前、40歳なのに年老いた写真1枚しか見たことがありませんでした。『ファミリーヒストリー』のおかげで、おやじの若い時の写真を見ることができました。生まれてこの方、『お父さん』と呼んだこともないし記憶もほとんどないので、過去に行けるなら『おやじってこんな顔しているんだ』と。2歳か3歳の頃に行って、おやじの動いている姿を見てみたいです」
――ありがとうございました!