DCユニバースでも、本作はめずらしいコメディ枠なのだから、難しいこと考えないで楽しめばいいという理屈もわからないではないし、もともとガッツリとDCユニバースにつなげる感じの作品でもない。だが、少なくとも『ブラックアダム』(2022)とはつながる予定だったわけだから、やっぱり悲しいし、サブライズで登場する“あの人”も結局出オチになってしまったことになる。

 そんなこんなで公開前から作品自体の魅力が薄れてしまっているアウェーな本作だけに、DCユニバース関係なく、単体の作品としてどこまで振り切れるのかが今作の評価につながってくるわけだが……それがうまくいっているとも言い切れない。

 ディズニー版「白雪姫」の実写版『スノー・ホワイト』で主演を務めるレイチェル・ゼグラーが、本作で金のリンゴを持っているというのは、ディズニーへの当てつけのようで良かったものの、新キャラクター全員の情緒がよく理解できないのも難点だ。

【ストーリー】
ごく普通の少年ビリーは、魔法の呪文「シャザム!」を唱えると、神々の力を宿したスーパーヒーローに大変身!そんな“見た目はオトナ、本当はコドモ”の半人前ヒーローのシャザムが、神々を怒らせてしまった…!? 復讐に燃える“神の娘たち”がペットのドラゴンを引き連れて地球に降臨。未曾有の危機を前に、ビリー=シャザムは人類や世界のためではなく、ダメな自分を受け入れてくれた仲間のために立ち上がるが…。神々の力を手にするシャザム VS 怒れる神の娘たち。神様だらけの最強バトルが開幕する!