◆主演以外の作品にも積極的に出演
藤井監督の青味がかった冷たい画面の色調は、横浜の肌の色合いにすごくよく合う。これを背景色として、横浜は画面に溶け込みながら、彼の真骨頂を毎回画面上に鮮やかに浮かび上がらせる。
Netflixオリジナルシリーズとして製作された『新聞記者』(2022年)では、薄暗い早朝から新聞を配る配達員を演じた。空中撮影によって捉えられた早朝の寒々しさが横浜の身体を通じて伝わってくるような、そんな生々しさがあった。配達手段となるバイクは、『青の帰り道』で青春を象徴していた自転車のゆるやかなバージョンアップでもある。横浜の成長に合わせながらその都度カスタマイズするかのような藤井監督の演出に対して、横浜も厚い信頼を寄せている。
横浜と藤井監督は、映画やドラマだけでなく、他の映像作品でもしょっちゅう現場をともにする間柄。藤井監督の演出作品なら、横浜は、主演以外の作品に喜んで出演する。最近では、助演に対する積極的な姿が目を引く印象さえ受ける。