◆横浜流星と藤井道人監督のバディ感

『青の帰り道』DVD(オデッサ・エンタテインメント)
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 今、この先の俳優人生がもっとも楽しみな若手は?と問われると、やはり横浜流星ではないかと思う。『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系、2012年)でのデビュー以来、数々の話題作(それも多くの快作)に主演、出演を続け、2022年だけでも4本の映画、3本のテレビドラマに出演(うち主演は2作品)した。

 デビューから10年以上の歳月が流れ、その間、横浜は「単なるイケメン俳優とは呼ばせないぞ」と言わんばかりの実力と凄みをぐんぐん伸ばし、俳優道をひた走ってきた。俳優・横浜流星を常にそばで見守り、強力な後押しとなってきたのが、『青の帰り道』(2018年)の藤井道人監督だった。藤井監督は、2019年に放送された『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)のピンク髪“ユリユリ”役の大ブレイクを温めた立役者だと言える。

 横浜が俳優として次のフェーズへ脱皮を図ろうとすると、ここぞというタイミングで藤井監督が援護する。横浜と藤井監督が組むバディ感は、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)でタッグを組んでから傑作を共に作り続けているレオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督との関係性を思わせるくらい強い結びつきだ。