成田からのビデオメッセージに続き、監督を務めた豊島圭介氏からもメッセージが。第1夜では葵と林に「役柄が年齢を重ねるにつれて振る舞いを変化させ、その演技のさじ加減がすごい」と絶賛され、そのメッセージに葵は「着物やヘアメークなどに助けていただいた部分もたくさんあるのですが、監督とも『このシーンでは綾子は〇歳』など、たくさんお話しさせていただきながら撮影したので、心強かったです 」と話すと、林は「僕はひたすらわかなちゃんに感謝しています。綾子さんと昇一が出会い、結ばれ、別れを迎えるまで、心を込めて気持ちをぶつけてきてくださったので、僕はひたすら感化されたり、心を動かされたりしていただけで。若い世代であんなに着物が似合う方はなかなかいないと思いましたし、僕に向けてくださるまなざしも長年連れ添った奥さんのような居心地のよさがあったので、僕はただそこに浸りながら演じさせていただきました。ご一緒できてうれしかったです」と葵へ賛辞を送った。

 第2夜に出演した伊藤と成田には「50年代の日本映画のように“早口だけどきっちり言葉は伝える”という演技をお願いしたので、負担は大きかったはず」とコメント。これに対し、伊藤も葛藤はあったようで、「最初にそう言われた時は『どうしよう』と思ったのですが、監督には『小気味のいいテンポで進むシーンはいいですが、本当に伝えないといけない場面で早口を意識してしまうと、お芝居が流れてしまうので、大切にしたいです』と伝えさせていただきました。私だけではなく、みんなで一緒に作っていった空気感や、スピード感があったと思います」と言い切り、作品へのこだわりが垣間見えた。

 質疑応答コーナーでは、「皆さんが今、熱中しているものは?」という質問が投げ掛けられ、葵をはじめ、ほとんどのキャストが「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」での侍ジャパンの活躍に夢中だと回答する中、林と伊藤はこの作品に影響を受けたようで、「土鍋で胚芽米を炊くこと」(林)、「計量カップ、計量スプーンを使って料理を作ること」(伊藤)と打ち明ける。さらに、北村は「僕はいつも仕事です! 間違いなく仕事です。もう1回言いましょうか? WBCも大事ですけど、仕事です(笑)」と仕事第一であることを力いっぱいアピールし、会場を笑わせた。