そして、舞台となる京都に関しては「40数年前、時代劇の撮影で、雪のちらつく寒い頃に初めて行きました。スタジオの片隅に『大魔神』の3、4mはあろうかという像がほこりをかぶっているのを見つけて、子ども時代に夢中で見ていたものが目の前にあって、驚いたことを覚えています。冬の間は、ロケではもちろん、セットの中でも『ガンガン』です。一斗缶に炭を真っ赤におこして、みんなで囲んで暖をとる。さらに寒くなると、大きなやかんに紅茶を沸かし、砂糖とウイスキーをたっぷりと入れたものを、あくまでも紅茶だとして、みんなで飲む。今もやっているのでしょうか? 忘れられません」と思い出も語っている。
石野が演じるのは、雅信の妻で倫子の母・藤原穆子。紫式部(まひろ)には遠縁にあたる。倫子を伸び伸びと育て、穏やかな家庭を築いている。三男坊である道長の才をいち早く見抜き、娘婿にと後押しする。