◆1. 5話「誕生日プレゼントにキスをねだる」

FANTASTICSのメンバーそれぞれが本人役で出演しているフェイクドキュメンタリー。複数の“軸となる物語”が走っていくが、なかでも注目したいのが八木&パフォーマー・瀬口黎弥(以下、瀬口)の“恋”。

本編において、瀬口にはパートナーがいる設定だが、度重なる八木からの“アプローチ”に戸惑う描写が差し込まれています。4話の終盤、彼らが共同生活をしているシェアハウスのリビングにて、自身が出演するライブDVDを見ながら寝落ちしてしまった瀬口。彼に好意を抱く八木は、寝ている隙をついてキス。

続く5話で、八木を食事に誘った瀬口。ともに焼肉を食べながら「てかさ、あのとき俺にキスしたよね?」と何気なく問うシーンがある。瀬口は寝ているフリをしていたのです(本編では「あれ(キス)で起きたわ」と言及)。

その問いかけに対し、八木はとくに慌てる様子もなく「イヤだった?」「じゃ、嫌い? 俺(のこと)。嫌いじゃないでしょ。じゃあ、いいじゃん」と返答。八木は瀬口にパートナーがいること、異性愛者であることを承知で「男も女も関係なく、好きは好きだよ」「え、好きに種類はなくない?」と言葉を重ねます。

真っ直ぐに向けられる八木からの好意に戸惑いを隠せない瀬口。後日、近く迫った八木の誕生日に向けて「何が欲しい?」と訊くと、八木は無言で口元をとがらせる(=キスをねだる)。決して“あざと可愛い”キャラで売ってはいないはずの八木が、不意に見せるイタズラな姿に、沼落ちしてしまう人は多いはず。