直木は消えたかと思いきや…
直木と同じように広田家に呼び出された悠依は、この真相を英介の口から聞かされる。悲しみと怒りが止まらない悠依は、鋭利なドライバーを握り、ただならぬ様子の英介に向かって、思わずなんで殺したのかと責めてしまう。英介は悠依に襲いかかろうとするが、悠依の機転によって刑事の魚住がすでに駆けつけていた。魚住の登場に、英介は悠依を人質に逃走をはかろうとする。雷鳴が響く外で、魚住と対峙する英介だったが、広田勝の“幽霊”を目にして動揺。その隙をついて悠依は逃げようとする。混乱した英介が悠依に手をかけようとした瞬間、幽霊の直木が英介の前に立ちはだかり、直木が起こした“静電気パワー”が英介が振り上げたドライバーに伝わり、謎の共鳴現象が起こって、雷が英介のドライバーに落ちる。間一髪、直木は自分の力で悠依を守ることができた。
無事に英介は逮捕されたが、悠依を守ることができた直木は安心して「思い残し」が解消されたのか、幽霊としての姿をなくそうとしていた。それに気づいた魚住は、悠依を直木の前に連れて行く。直木は悠依への言葉を魚住に伝えてもらおうとするが、魚住は自分の体に乗り移って直接悠依と話をしろと怒る。“乗り移り”は魚住の命も危ぶまれる行為だけに直木は断ろうとするが、魚住の覚悟を見て、直木も腹をくくる。だが、いざ乗り移ってみたものの、うまく言葉が見つからない。悠依も何を話したらいいのか戸惑う。そして、きちんとした別れの言葉をお互いに告げられないまま、直木は消えてしまった。
英介が捕まったことで千代が行ってきた悪事は暴かれ、千代は未成年者略取および売春防止法違反で逮捕された。千代の命を受けた英介によって希也と共に殺されそうになり、重体となった莉桜も目を覚まし、病院で悠依と再会する。莉桜は、希也を昔から知っていたこと、希也は涼香と仲が良かったことを思い返しながら、2人とも千代によって殺され、巻き込まれた直木までも死んでしまったのに、なぜ自分だけが生きているのかとつぶやく。それは悠依にも心当たりのある罪悪感だった。莉桜が人知れず自分を守ってくれていなければ、自分も「仕事」をしていたかもしれない。自分だけが安全圏にいたという罪悪感に苛まれた悠依に、第8話で直木は「無事でいることに何の罪があるんだよ?」と伝えた。そして今度は、悠依がその言葉を莉桜に伝え、「莉桜ちゃんが生きてくれて、また話ができて嬉しい」と微笑みかける。「ずっと言いたかった。守ってくれてありがとう」と、千代の「仕事」に巻きこまないよう自分を遠ざけてくれた莉桜の優しさに悠依が感謝を伝えると、莉桜は涙するのだった。