悠依と直木は10代の頃、それぞれ家庭の事情により、広田勝(春風亭昇太)が里親となって広田家で共に育った時期があった。同じく広田家に尾崎莉桜(安斉星来)が預けられるが、莉桜はある日、突然失踪する。莉桜は、少女たちに「ちーちゃん」と呼ばれる女性・武藤千代(神野三鈴)のもとで、体を売る「仕事」をさせられていたが、千代はある顧客と揉めてしまい、「仕事」を辞めることに。そこで口封じに少女たちに500万円を渡したのだが、千代を怖がっていた莉桜は、500万円を広田家に残したまま行方をくらまし、過去と決別して新しい人生を歩もうとしたのだった。

 それからおよそ19年後。直木は、広田勝の家で会った池澤英介(荒川良々)に声をかけられ、池澤がオーナーに、直木がシェフという形で共に洋食屋ハチドリを切り盛りしていた。そんな時、勝から莉桜が家に残していった私物と500万円について打ち明けられる。自分に代わって莉桜を探し出し、渡してほしいと頼まれた直木は、莉桜の同級生・高原涼香(近藤千尋)を見つけ出し、莉桜と連絡を取ることに成功。1月13日にカフェで会う約束をする。

 その前日の12日、莉桜(香里奈)は、かつての「仕事」仲間だった涼香が千代から金をもらっていることを知る。千代が久々に「仕事」を再開させたことを知り、揺すったのだ。千代は危険だから手を引くよう莉桜は説得するが、翌日、涼香は変わり果てた姿で発見されてしまう。千代の命令で、息子の田中希也(永島敬三)が涼香を殺したのだった。「こうなりたくなかったら黙ってなさい」というメッセージが届き、莉桜は千代の影に怯える。